夢へと続く道3~小山台高校野球班にて~

夢へと続く道3~小山台高校野球班にて~

僕は東京都立小山台高校に入学しました。この高校を選んだ理由は、野球が「それなりに」強くて、大学進学実績が「それなりに」良くて、学校の雰囲気に人間味があって、且つ、あまりみんなが知らないところ、行かないところ、を探した結果、ズバリ、小山台だったからです。

小山台高校校舎とグランド

すぐに野球部に入りました。最初はもう、周りの人が、レベル違いで、ついていくのに必死でしたね。

小山台野球班について

ちょっと話はそれますが、先日アンケートを取ったところ、ブログに書いてほしいテーマとして、「小山台野球班にいたことで周りとの差異をはかれたこと」「小山台がなぜ東東京で通用したのか」「オヤジとは」という、小山台に関する要望がいくつも集まったので、それについて、ここで書こうと思います。

ここで小山台高校野球班(小山台高校では伝統的に部を班と言います)を簡単に紹介します。

これはご存じの方も多いと思いますが、班員は三学年合わせて100人近くおり、平日の学校練習は17時までで、練習時間は約1時間半。授業が終わったら走ってグランドに行きほぼアップなしで、集中力勝負の練習が始まる。学校のグランドは他の班と共有で内野面+αの大きさ、土日は毎週ほぼ練習試合。週に一日か二日は河川敷のグランドを使用。週一で必ずオフがある。自称進学校であるため、課題の量が多く、テストで赤点を取ると練習に出られなくなる恐れがあるため、勉強も必死でやらなければいけない。テスト期間は班活禁止。毎日ノート1ページの日誌を書かなければいけない。レギュラーになれるかの勝負は、普段の練習の後、17時以降の、取り組みにかかっているといっても、過言ではないほどで、日本一自主練習の時間が長いとも言われるほどだ。つまり、サボろうと思えばいくらでもサボれる環境なのだ。その中で、自分自身でモチベーションを保ち、自分に厳しく、追い込まなければいけない。大体部員の毎日の睡眠時間は4時間から6時間だった。やるかやらないかは、完全に自分次第なのだ。この環境が、人をとてつもなく成長させる。

河川敷のグランドの夕日

小山台野球班にいたことで周りとの差異がはかれたこと

かなりたくさんあるんですが、大きく三つですね。

一つが、周りの仲間が、全員、同じような熱量で、同じところを目指して、頑張っている、そんな環境があったということですね。ここで学んだことは、「熱意をもって物事に取り組むことの素晴らしさ」「物事への熱の入れ方」です。

大学に入って、分かることがありました。ちょっと驚きでしたね。「物事に本気で熱を入れる」ということを、知らない人が、意外と多い。何かを、本気でやろうと、一度決めても、すぐに熱が冷めてしまったり、そもそもどうやって、一つの物事に熱を入れていいのかが分からない、そんな人が、あまりにも多い。

おそらく、自分だけでなく、周りも本気で熱を持って、物事を改善するために、一人一人が、一生懸命考え、議論し、創り上げていく、その環境が良かったんだと思います。自分だけが一人で本気で取り組んだり、本当の意味で本気でなかったり、そういった環境だと気が付かないこと、得られないことを、小山台野球班では得ることができました。

もう一つは、社会常識を学べたということです。例えば、夜中に監督にメールを送ったら、監督はかなり怒りました。その時は、「通知の音消せばいいやん」って思ったのですが、これ最近になって、分かったのですが、とっても大事なことなんです。僕は今、いろんな活動をする中で、社会人の人と関わったりすることが多いのですが、そうなると、こういった、「相手を想う気持ち」これすごく大事なことだと、分かるんです。例えば、「挨拶」ですね、メールの初めに必ず、「挨拶」を挟むとか、相手の方がどういう風に対応すると、気分良く受け取れるのか、など、そういったことを、考えることが常識になりました。他にも、約束を守る、だとか、忘れ物をしない、だとか、時間に遅れないだとか、やっぱりこれって、野球部は野球部でも、そんな細かいところまで、一人一人指導してくれるところは、なかなかないと思うんですよね。

特に、大学に入って、いろんな活動をし始めてから、分かるんだけれど、こういう社会常識や、大事な気遣いが無い人がとっても多い。はっきり言って、そういう人たちは、何か活動をしようと思っても、まず、第一歩目で、躓いています。

他にもたくさんあるんですが、僕がよく感じるのはこのあたりですね。

僕の日誌が載ってまいました

小山台がなぜ東東京で通用したのか

これも大きく三つに分けます。

上にも書きましたが、まずは、環境ですね。超短い練習、自主練習、日誌、勉強、研究、などの環境。自分で自分に向き合って、自分を追い込んでいかなければいけない。つまり、モチベーションが、他の学校よりは比較的、自分自身の目標や、夢に置きやすいということですね。監督に怒られるから、とか、そういう心も少なからずある人もいますが、仲間のため、や、家族のためや、自分のために、一生懸命頑張れる雰囲気は間違いなくありました。やはり、これらが、メンタルを強くさせ、成長させ、集中力を磨き、チームワークを高めたと思います。

次に、頭ですね。小山台では、部員が100人いようと、週末は全員を試合に出してくれて、全員に成功と失敗をするチャンスが与えられて、どんなに下手な奴でも、一生懸命、叱ってくれる指導者とシステムがありました。だから、一年の頃から、とにかく野球の頭脳を叩き込まれました。これがすごい。頭を使った野球で、監督コーチの戦術と、選手の考える戦術を極限まで一致させる。これがまた小山台ならではの強さであったように思います。

そして、一番大きいのが、監督、コーチの存在だと思います。

オヤジとは

小山台の監督である、福嶋監督のことを、選手たちは、「オヤジ」と呼んでいました。僕は、監督の話を初めて聞いたとき、今まで味わったことがない、衝撃を受けました。言葉一つ一つに、とんでもなく、重みと、熱と、深みが、あるのです。あ、こういう人が、本当に何かに一生懸命向き合い続けて、生きてきた人なんだな、と感じました。

そういった、人間性もさることながら、定年に近い歳にもかかわらず、新しいものを、拒まずに、取り入れていくのです。例えば、「根性論」を切り捨て、メンタルに関しては、違うアプローチをして、動作解析や、情報収集を、熱心に行い、常にやめることなく自分の指導を見つめ直し改善し続けます。

勝敗より大切なものを、教えてくれます。どんな選手よりも、毎日一番努力しているから、選手も努力しないわけにはいかなくなります。命の大切さを、一生懸命教えてくれます。一秒を、一瞬を一生懸命生きる素晴らしさを、教え続けてくれます。僕は、そんな方だなと、思っています。

こういうことを、勝手に書かれるのを嫌う方だと思うで、ばれたら怒られる気がします。會川が悪い。

試合前に必ずグランドのゴミ拾いをする監督

人生の信念、軸を見つける

興味のない方には、ニッチな内容になってしまい申し訳ありません。

僕はこんな環境の中で、また大きく成長しました。

一番大きな成長だけをここで記します。

高2の冬前、僕は理不尽すぎることで、叱られ、勘違いされ、全ての努力を無かったことにされ、やっとレギュラーに届きそうなところで、一番下までぽーいっと落とされました。この出来事で、僕の保ってきた、モチベーションの糸が、プツンと切れました。僕は、野球班を辞めることを決めました。しかし大好きな仲間たちの必死な引き留めを受け、少し休んでゆっくり考えました。

僕は、その時に「なんで野球をやっているのか」をもう一度原点から考え直したのです。そして、大事なことを思い出しました。僕は「野球が好きだから」野球を始めたんだ。「野球が楽しくてしょうがないから」野球を始めたんだ。しかし、いつからか「レギュラーになるんだ」とか「先生に怒られないように」とかばかりに集中して、野球をするようになっていたことに気が付きました。

そしてこの時から、僕は野球への取り組み方を完全に、切り替えました。「ただただ野球を楽しむためにやる。」「仲間のために生きる。」と決めたのです。それから、「レギュラーとかどうでもいい」と、明言するようになりました。仲間の技術が上達するように、いろんなことを考えて、やるようになりました。だから、その後の冬は自主練もめっきりやらなくなりました。

でも、これが、不思議なことに、めちゃくちゃ技術が上達しだしたのです。試合も、別に怒られようと、どーーでもいいので、とにかく楽しむと、勝っても負けてもどーーでもいいので、とにかく目の前の一球を楽しむと、そう思ってやるようになったので、いい結果がバンバン出るようになりました。

もうそれから引退までは、とにかく、ただただ楽しかったですね。

気が付くといつのまにかレギュラーになってました。

練習試合で応援し続けた仲間が、初めてホームランを打った時、心の底から、もう嬉しくて仕方なかった。そして、最後の大会で、決勝まで勝ち上がり、神宮球場には2万6千人もの人々が詰めかけ、外野に立ち見が出るほどで、テレビやスマホの前でもきっとたくさんの人が応援してくれました。僕は、準優勝したことが嬉しかったんではなく、たくさんの人の笑顔の源になれたこと、それがとにかく嬉しかった。それが、一番嬉しかった。

決勝後超満員のスタンドに挨拶

こういった、高校生活を経て、僕は、

「人のために生きる凄さと素晴らしさ」

を、心の奥底から、感じ、知りました。そして、それが、人生の信念の柱に、据わったのです。

「人のために生きよう」と。

日誌に記した言葉

~Dream~に続く

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