#7『頭を空っぽに』

#7『頭を空っぽに』
 私は中学生の時にハナコさんと同じクラスになった。たいして親交が深かったわけでもないが、私は彼女とたわいもない会話をするのが好きであった。ハナコさんの黒くて白くて赤い世界観はその後の私に大きな影響を与えることになった。そんな彼女の今を描いてもらえることになった。毎週金曜日はハナコさんの連載です。—— 南 大樹
#7 『頭を空っぽに』
 頭の中が空っぽになる瞬間、ありますか?
 私はあります。結構ぼーっとしている人なので、授業を聞いている時とか、電車に乗っている時とか、知らないうちにぼーっとしていて、頭が空っぽになっている時があります。

 その一方で、頭を空っぽにするときもあります。
 やらなきゃいけないことで頭がいっぱいになったり、抱えきれない思いで胸がいっぱいになったとき、冷静になるために頭を空っぽにしようとします。
 でも、頭が空っぽになってしまう時とは全然違って、何も考えないようにしようとか、考えていることをやめようとしても難しいです。そういうとき、今頭の中にあるものをひとつひとつ確認して、そっと床に置くような感覚で一度自分の領域の外に出します。整理ということばで表されるものとはまた違って、ひとつひとつに優しさをもって、そっと移動させる感じです。
 頭がいっぱいになって余裕がなくなることは望んでいません。辛いから。でも、なんだか頭の中を空っぽにするその過程というのはとても尊いことに感じます。
 自分を大切にすることの本質があるような気がしているのです。

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『世界からあなたが消えたなら』

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