#1 『はじめまして』

#1 『はじめまして』
 私は中学生の時にハナコさんと同じクラスになった。たいして親交が深かったわけでもないが、私は彼女とたわいもない会話をするのが好きであった。ハナコさんの黒くて白くて赤い世界観はその後の私に大きな影響を与えることになった。そんな彼女の今を描いてもらえることになった。毎週金曜日はハナコさんの連載です。—— 南 大樹


#1 『はじめまして』

はじめまして。

ご縁があり、ここで文章を書くことになりました。ハナコです。

はじめましてなので、私の話をしたいと思います。といっても、それほど話すようなこともないのです。なんで南くんは私をこのような場所に誘ってくれたのだろうと不思議でたまりません。 いや、不思議ではないな。たしかに10代の私は世界の何にでも心を動かし、涙の化身のような悲しさや、電流のような驚きに自ら触れていました。あえてこの言葉を使わせていただくと、「若かった」のだと思います。 そしてそんな「若さ」はもうないのですが、あの時のようなことばも出てこないのですが、ことばを使って伝えるある種の産みの苦しみを楽しめればと思っています。

そして、私はどうしようもないくらい怠惰ですし、素敵な生き方からは到底離れた生活を送っております。たいそうなことは書けないよ。期待しないでね。

ことばというものは、その人全てを表すものだと思っています。ことばを使って何を伝えるかよりも、その時どんなことばを使うかがその人を表すのではないかな。だって、素敵な人ってその話ももちろん、ことば選びが既に素敵だったりしませんか?

ということで、このように、自分のことばで、自分の内容を選ぶこの場所は、私にとってとっても恥ずかしいです。本棚を人に見せたり、プレイリストを共有したりする感覚です。

誰かのためになろうとか、誰かに影響を与えようとかそんなことは思っていないけれど、でも、そんな誰かに、あなたに、届けばいいな。

連載
『世界からあなたが消えたなら』

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