今日を生きる全ての人へ2

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ナマケモノになろう

スローライフを楽しむには「ナマケモノ」になることが重要です。

「ナマケモノ」はどんな動きをするにもスローで、全然動かないから、人々は「ナマケモノ」という名前を付けて、バカにし続けてきました。

しかし、近年の研究で、ナマケモノは凄い生き物であることが分かってきました。

まず、ナマケモノの動きがのろいのは、筋肉が少ないからで、それはなるべくエネルギーを使わないで、葉っぱだけを食べて生きていくための知恵だということが分かったのです。また、筋肉が少なければそれだけ体重が軽くなるから、高い木の上の方の細い枝にもぶら下がることができ、それだけ敵から狙われることも少ないのです。また、面白いことに、ナマケモノは7、8日に一度、危険を承知でゆっくりと木の根元まで下りてきて、地面におしりで浅い穴を掘って糞をします。地上に降りてきて、もし天敵に見つかればこんなに動きの遅い動物はすぐつかまって食べられてしまうだろうに、どうしてこんな危険なことをするのでしょうか。ある研究によると、それはナマケモノが、自分に食べ物をくれる木の根元に糞をすることで、もらった栄養をなるべくその同じ木に返そうとしているのだというのです。つまり自分を育ててくれる木を、逆に支え、育てているというわけです。「環境に優しい循環型の暮らし」とはまさにこういうものではないでしょうか。どうやらナマケモノは、怠けているのでも、バカでもないらしいです。

そしてなにより、ナマケモノは、いつも微笑んでいます。

ナマケモノはこう教えてくれると言います。

「必要なもの以上はいらないんだってこと。争わないこと。必要以上のものを求めないから、誰とでも仲良くできること。一言で言うと、平和ということ。ナマケモノから学ぶべきことは。」

「ブラジルの先住民はナマケモノを、“空を支える生きもの”と呼んでいる。木の枝にぶら下がっている彼らの姿を見ると、私たちにも、空が落ちてこないように押さえてくれているように思えるの。」

何か、するべきことをしない人を、僕たちは「ナマケモノ」と呼びます。僕たちの社会では特に、一生懸命勉強しないか、せっせと働いてお金を稼いでいない人のことを言いますね。勉強しないと、いい学校に入れないし、いい会社に就職できない。良い会社で働かないと給料をたくさんもらえない。一方、せっせと働かないとお金も稼げないし、出世もしない。出世してより良い給料をもらったり、ビジネス競争に勝ってたくさんお金を稼がないと、幸せになれない。なぜなら人を幸せにするためのものはお金でしか買えないから。家、土地、車、全ての電化製品、外国旅行、その他様々なモノやコト。友達付き合いするにも、結婚するにも、子供を育てるにもお金がいる。たくさんいる。だからどんどん自分の時間をつぎこんで勉強し、働く。お金を稼いで、そのお金でせっせと買い物をして、幸せを手に入れる。人生とはこういうコースだと洗脳のように僕らは思い込んできました。ナマケモノはこのコースから外れた人たちのことなのです。

動物界にも、ナマケモノみたいな動物がいて、ジャングルの木の高みで、のんびりとしたくらしをたてているじゃないですか。強さ、大きさ、速さを競うこともなく、毒を持つこともなく、徹底した低エネ、循環型、助け合い、平和のライフスタイルをちゃんと実現しています。こんなナマケモノのような生き方こそが僕たち人間を救ってくれるのではないでしょうか。二十一世紀を生き延びるために、人類が何より必要としているのは「ナマケモノになる」ことなのではないでしょうか。

「おいしさ」の正体

皆さんは、「食べること」が好きですか?

おいしいものを食べることは、人に大きな幸福感をもたらしてくれます。では、「おいしいもの」とはどんなものでしょうか。「おいしさ」とはなんでしょうか。僕は、「おいしさ」とは、ただ舌で感じるものではなく、どこからやってきたのか、どんな風に育てられたのか、どんな素材からできている料理か、誰が作ってくれたのか、誰と、いつ、どこで食べるのか、こういうことが全部含まれていると思います。

「おいしさ」を考えるとき、僕たちは、まず、「食べ物は生き物である」ということを知らなければいけません。旬の食べ物をおいしいと思う理由は、旬とは、その生き物が、もっとも生き生きとしている季節のことだからです。有機無農薬の野菜をおいしいと思うのは、有機無農薬の野菜は、自然界の命の力だけで育つ野菜だからです。

生きものが生き生きと生きるには、いい水といい空気といい土と太陽のエネルギーと多様な生物のコミュニティが必要です。

「ファストフード」が代表されるように、最近の食生活の大変化は、世界中で環境破壊と健康被害の大きな原因になっています。人間は、「生き物時間」のペースに合わせて、生きてきたはずです。でもいつからか、人間たちは「生き物時間」を待つことができなくなり、自分たちの都合を押し付けるようになりました。

生きものとしての扱いを受けない生き物は不幸せに違いありません。それは、人間らしい扱いを受けない人間が不幸せなのとよく似ています。動物や植物に幸せも不幸せもないという意見もあるでしょうが、ファーブルさんが言っていたように、どんな生き物にも「生きる喜び」があるという考え方の方が、温かく感じませんか?そして現に、「生き物時間を」無視し続けた結果、地球環境は破壊され、たくさんの生物種が絶滅し、人間に大きなツケとして返ってきたのです。

「食べ物は生き物である」ということを思い出すこと。

そして、その生き物の周りに流れるゆっくりとした時間を尊重すること。

つまり、食べ物を養殖し、栽培する人も、買う人も、食べる人も、みな、「上手に待てる」ようになること。

私たちは、「待つこと」をもっと大事にしなければいけないのです。

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