二酸化炭素を地下に埋める

二酸化炭素を地下に埋める

いきなりですが問題です!!

地球温暖化を止めるために、どうしたらいいか、というのを考えた時、こんなアイデアを思いついたことはありませんか?

「地球温暖化を促進する二酸化炭素を宇宙に放出しちゃおうよ」

「地球温暖化を促進する二酸化炭素を、地下深くに、埋めて閉じ込めちゃおうよ」

一見、どちらも現実不可能なおバカなことのように感じますが、実はこのどちらかが、現実的に行われ始めようとしているのです!さあ、どっちでしょう!

正解は!

でででででででででで

ででででデデン!!

「二酸化炭素なんか、地下深くに、埋めちゃおうよ」

でした!!

みなさん、ご存じでしたか??

CO2濃度、過去最高更新

先日(2019年11月25日)、世界気象機関(WMO)は、2018年の二酸化炭素(CO2)の世界平均濃度が過去最高を更新したと発表しました。

WMOは「将来の世代が気温上昇や生態系破壊など気候変動の深刻な影響に直面することになる」と警鐘を鳴らしています。

かなり、地球温暖化への意識は、世界で広まってきているように、感じてはいましたが、CO2は増加の一途をたどり続けているのですね。

2016年に発効されたパリ協定では各国削減目標を決め、大きく世界が地球温暖化対策でまとまり始めたようにも見えました。パリ協定の画期的だったところは、たくさんの途上国も参加したということです。当時の米国・オバマ大統領は中国やインドに批准を働きかけ、それだけ世界各国の地球温暖化に対する関心が高まりました。結果、パリ協定には、主要排出国を含む多くの国が参加し、締結国だけで、世界の温室効果ガス排出量の約86%、159か国・地域をカバーするものとなったのです。

しかし、だからといって、すぐにCO2 が減り始めるわけではありませんでした。

あと数十年は確実に濃度が高まり続けます。地球温暖化による深刻な影響を回避するためには、省エネルギーや再生可能エネルギー導入といったCO2 そのものを出さないようにする対策と、それらを活用した持続可能なエネルギーシステムの実現が不可欠ですよね。しかし、これらの対策が世界に普及するまでには数十年にわたる着実な取り組みが必要になってきます。

まだまだ、経済との両立での対策には、時間がかかります。特に途上国では、経済発展のためにまだ多くのエネルギーが必要で、当面は安価な石炭が大きな役割を担うでしょう。各国、今すぐに使用をやめて、削減させ始める、というのは、あまりにも無謀で非現実的な話なのです。口では削減削減と言いながら、マイペースにのろのろと削減を行っているのです。

しかしそうはいっても、世界のCO2 排出量が近年大幅な増加傾向を示していることから、すぐに行えるCO2削減も、とてつもなくも重要です。

その一つとして、考えられているのが、この技術です。

CCSの可能性

「日本CCS調査」は、先日(2019年11月22日)、北海道苫小牧市沖の海底の地中に、地上の排出ガスから分離した二酸化炭素を封じ込める技術の実証実験で、計画していた30万トンのCO2の圧入に見事成功したと、発表しました。

大量のCO2の圧入に成功したのは国内で初めてのことです。

経済産業省は、この成功を受けて、実用化に向けて動き出すとしています。

CCSとは「Carbon dioxide Capture and Strage」の略で、「二酸化炭素隔離貯留技術」というものです。

火力発電所や製鉄所などの大規模CO2発生源で、CO2濃度の高い排ガスから、CO2を回収して、それを、地中に押し込んだり(地中貯留)、海底奥深くに貯めたり(海底貯留)、海水に溶かしたり(中層溶解)して、地下に貯めてしまおうじゃないかというものです。

世界全体のCO2 の総貯蓄可能量は、2tとされています。これは、世界全体の65年以上分の二酸化炭素の総排出量をすべて地中に入れてしまえる可能性があることを表しています。

石油などが枯渇し始めて、抽出することが困難になってきた場所に、CO2を圧入すると、石油の抽出量を増やすことができるため、現在進行中のCCS事業の多くは、油田や天然ガス田で、進められています。

CCSのリスク

そんな、革命的なやり方があるなら、地球温暖化はもう解決じゃないか!と思うのですが、CCSはまだ、コスト面と安全面で、壁があります。

今、CCSをしようとしても、莫大なお金が必要になります。また、CSSを動かすための電力を作るために、温室効果ガスが少なからず排出されたりします。今後、少しずつコストが下がっていき、実用化に向けて、開発が進んでいくとされています。おそらく、数年後には世界のかなりたくさんの地域で、実用化が始まると思われます。

次に、安全面でのリスクです。1つが、地中に貯めたCO2が地上へ漏れ出してくる危険性です。これについては、今のところ、起きていないということで、北海道のCCS事業でも、今後数年間精密に観察していくそうです。

もう一つ懸念されるリスクが、地震を引き起こす可能性です。アメリカの研究者の中には、これを訴えている研究者もいます。

CCSは、温暖化に対して、すぐに効果的に直接CO2 の量を減らせる手段なので、早急に取り入れなようとしています。つまり、100年単位の長ーいスパンでの実験をせずに、多くの場所で、行われようとしているのです。全くリスクの予測が、できない、というわけです。

私たちは、未来への(未曽有のリスクを持った)タイムカプセルを、地下深くに埋め始めようとしているのです。

もし、リスクが全く生まれず、この技術が、使えるのだとしたら、温暖化対策にとてつもなく救世主とも呼べる「つなぎ」の役割を担ってくれるでしょう。

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